「精進落とし」の風習について


 「精進」とは仏道修行をすることを言います。故人は亡くなって49日の間は仏の修行に出られる為、遺族も苦労を分かち合うように同じく生ものを断ちます。そして忌明けに通常の食事に切り替える区切りとして食べられるのが「精進落とし」です。

 本来の風習では、忌中(四十九日間)はお祝い事を避けたり肉や魚を食べられませんでしたが、近年では49日もの間生ものを断つことが難しくなり、ほとんどの地域でその風習はなくなっていきました。

このように意味合いは薄れて名前だけが残ることになり、現在の精進落としは初七日法要の後に料理を振る舞う宴席という意味合いが強くなっています。また、各地では初七日法要が葬儀日に行われるようになり、精進落としも当日に召し上がる方が多くなりました。

 今のご時世では、コロナが蔓延して火葬場で食事が取れない地域もあります。そういった場合は、親族全員にお膳を配ったり、自宅に持ち帰ったりされる方も増えてきました。

 時代が変わり、風習もそれに合わせて常に形を変化していくものもあれば、昔から変わらないものや受け継いでいくものもあります。地域によっては異なることもあると思いますので、分からないことがございましたら担当の葬儀社にお聞きください。