「お清め塩」という風習について

　葬儀が終わり自宅に帰った際、玄関に入る前に塩をまく風習があります。また、会葬礼状と一緒に小袋に入った塩が渡されることがあります。

　この塩の事を「お清めの塩」といいます。今回は何故、そのような風習が生まれてきたのか、現代ではどのように変わってきているのかをお伝えします。

　お清めの塩とは、名前の通り清めるために使われてきたものです。

　日本では昔、病気や天災などの悪い事や不幸な事態が起こると、塩で身体を清める習慣がありました。特に神道では、死を穢れとして捉えており、自分自身や周囲の為にも塩をまいて清めていたともいわれています。

　しかし仏教では死を穢れとして捉えず、宗派によってはお清めの塩は用いりません。

　現代では、穢れという考え方はほとんどなくなり、お清めの塩を使う形だけが残っている地域が多いです。その風習自体を知らない若い世代の方もいらっしゃいます。

　お清めの塩の使用する事は個人の考えによりますので、無理に使う事はありません。もし少しでも心配が残る方は用意をされるか、近くの葬儀社に確認される事をお勧めします。